クラシック音楽にも邦人の作品があります。発表会やコンクールのプログラムをめくっても、カタカナの作曲家ばかりがずらりと並んでいますから、邦人の作曲家達は少々肩身が狭そうです。でも、中にはきらりと光る作品もあります。
昨年の大発表会では三善晃、音の森から「三度のワルツ」を弾いた生徒がいました。時々聞こえてくる7度の響きに哀愁があって、三善の世界観が垣間みれます。三善晃は日本作曲界の巨星。ピアノ曲も実はたくさん書いている。以前、オーケストラ曲を聴いたことがありますが、暗いイメージが強烈に記憶されています。戦争体験が根っこにある由、彼の音楽がまとっている空気には一種のやりきれない苦痛が漂っています。それでも、三善晃が子供のためにピアノ曲を書いてくれたのは有り難いこと。日本のピアノ教育界において大きな功績です。今年の発表会では海の日記帳から「波のアラベスク」を弾く生徒がいます。けっこう難しいので、必死に練習中です。最近、再びパラパラと三善晃の楽譜をめくっています。