ドイツ、フランクフルト在住のギタリスト、リューティストである太田耕平さんのコンサートに行ってきました。クラシックギターを学ぶべく7年間をイタリアで過ごし、その後はフランクフルト音楽大学でリュートとバロックギターの研鑽を積んだ国際肌の音楽家です。同時期に私もドイツとオランダで過ごしていたので、お互いの留学先を訪ねた事もあり大変懐かしい思いで昨日のコンサートを聴きました。
太田さんらしい演出と質の高い演奏に感激しました。もともとバロック音楽が好きだったこともあって、コンサートの案内を頂いた時には「これは聴きたい」と思いました。今回はバロックの中でも日本で取り上げられることが極めて少ない初期イタリアバロックにスポットを当てたコンサート。中国出身、フランクフルト在住の素晴らしい演奏家、キュイ・ホンシャさん(バロックバイオリン)リー・ファンさん(バロックヴィオラ・ヴィオリン)との共演です。
プログラムの紹介文から引用させて頂くと、初期バロックは「分かりやすく」「より人間らしい」音楽が花開いた時代だったとか。コンサートではスクリーンの配色、衣装、トークなど、ささやかな演出が施されていて、そのちょっとしたこだわりが音楽を新鮮で鮮やかなものに引き立てていました。曲はほとんど無名といっていい作曲家によって書かれたもの。ところが、どの曲も実に生き生きとしていました。一人の芸術家の作品というよりは、当時の人々が喜怒哀楽のままに歌い踊っていた姿が浮き彫りなる音楽。
「イタリアンバロック LIVE」新しい音楽の愉しみを発見した一夜となりました。福岡市東市民センターホールにて、小学1年生の生徒さんも一緒に(写真)。