2015年度ピティナコンクール課題曲の中から、5〜6年生の課題曲バルトークのソナチネについて少し解説したいと思います。予選では近代・現代を弾かなければいけません。譜読み慣れしていないと近現代の複雑な楽譜に戸惑ってしまうけかもしれませんが、技術的には程よく、音楽的な良曲だと思います。モチコピアノスクールからはC級の予選に3名が参加する予定です。「柿の種」湯山昭作曲、「ソナチネ」バルトーク作曲の2曲を推したのですが、生徒達たちはソナチネのダイナミックでカラフルな音色が気に入ったようで3人ともバルトークを選曲しました。
打楽器風のシンプルな前奏。スラーと強いアクセントの動きで鼓笛隊が行進しているような雰囲気を出せると、ワクワクするオープニングになりそうです。拍子感が最大のポイント。
基本のダイナミックはフォルテですが、左手の八分音符にはメゾフォルテ。ベースにはスフォルツァンドも見られますね。アーティキュレーションを見ると、テヌート、アクセント、スラーが見られます。小節を2-2-1-1-2で区切るとよいでしょう。左のベースにスフォルツァンドがついているのは、大太鼓などの大きい響きをもった楽器のイメージ。それから、右手テヌートで際立たせてあるメロディーラインは笛、裏拍に表れる強いアクセントはトライアングルといったように、明確にオーケストレーションすることが大切です。それぞれの役割にあったタッチで音色を作れると良いです。小さなオーケストラとしてのピアノの魅力が楽しめる素晴しい曲だと思います。ほんの一部の解説でしたが、練習の参考にして頂けたら嬉しいです。